旗竿地の売却で成功するコツはあるのか?旗竿地が売りづらい理由についても解説!
一般的に旗竿地は、売却がしにくいと言われます。
その理由は、間口が狭く奥まった土地であり、市場として人気がないからです。
では、旗竿地の売却で成功するコツはあるのでしょうか?
この記事では、旗竿地が売りづらい理由やメリットを掘り下げ、これらをもとに旗竿地の売却で成功するコツを紹介していきます。
旗竿地とは?旗竿地ができるのはなぜ?
旗竿地とは、道路に接している出入り口部分が細長く、その奥に敷地がある形状の土地です。土地の形が竿を付けた旗のように見えるので旗竿地と言います。
旗竿地は相続などで売却された広い土地を、不動産会社が分譲しやすいように土地を分割するときに生まれます。
例えば、間口が広い土地であれば均等に分割できますが、間口が狭い土地を単純に均等割すると細長い土地となり、建物などが建てづらくなります。
よって、このようなときに旗竿地を作ることで、建物を建てやすい土地を作れます。
旗竿地が売りづらい3つの理由
はじめに、旗竿地が売りづらい3つの理由を紹介します。
- ①間口が狭く、奥まった土地で人気がない
- ②周りを建物に囲まれるため日当たりや通気性が悪い
- ③整形地と比べて建築や解体のコストが掛かりやすい
①間口が狭く、奥まった土地で人気がない
旗竿地は、間口が狭く奥まった土地で人気がないからです。
一般的に一戸建ての立地は、南面道路に面した角地に人気があります。
理由は、日当たりや通気性の良さ、間口が広いことで敷地内に入りやすいからです。また、周囲に囲まれ感がないことで一定の開放感が生まれます。
一方で旗竿地は、道路から奥まり敷地へは入りづらい、周囲は囲まれ開放感や通気性が悪いなどの理由から、市場では敬遠される傾向があります。
再建築不可物件の可能性もある
敷地に建物を建築する場合、接道義務があります。接道義務とは、幅員4m以上の建築基準法上の道路に間口2m以上接することです。
つまり、竿の部分の土地が2m未満の場合、再建築不可物件となります。再建築不可物件では、既存建物を取り壊し新たな建物の建築はできません。
このようなときには、間口を広げるもしくは間口が充分に取れている隣地を購入し、再建築不可状態を解消する必要があります。
②周りを建物に囲まれるため日当たりや通気性が悪い
敷地が奥まっていて周囲を建物に囲まれる旗竿地は、日当たりや通気性に影響があります。旗竿地の家は、快適な住環境を阻害される要素もあるため、売りづらくなります。
③整形地と比べて建築や解体のコストが掛かりやすい
旗竿地は、整形地と比べて建築や解体のコストが掛かりやすいことです。
旗竿地は間口が狭いため、重機などの搬入がしにくい敷地となります。例えば、建築工事であればクレーンなどの工事車両が入りにくいことで手間が掛かります。
よって、工事期間が長くなることから高コストとなる傾向があります。
旗竿地にあるメリット
先述にて旗竿地は売りづらいことが分かりました。一方で、旗竿地にもメリットがあります。
- ①固定資産税や将来的な相続税が安くなる
- ②プライバシーを守りやすい
- ③通路部分を駐車スペースとして有効活用できる
①固定資産税や将来的な相続税が安くなる
旗竿地は、固定資産税や将来的な相続税が安くなります。
形が歪で使いにくい部分が多い土地は、周辺の土地に比べると土地価格は安く設定されます。土地の値段が安いと固定資産税評価額は安くなるため、総じて固定資産税は安くなります。
また、相続税は相続税路線価をもとに算出しますが、旗竿地の場合には間口狭小補正率が適用されるため、評価額自体を下げることができます。
よって、旗竿地では相続税も安くなります。
②プライバシーを守りやすい
旗竿地は、道路から奥まっているためプライバシーを守りやすいです。
例えば、人通りが多い道路に面している家は、道路から普段の生活が見えやすくなります。一方で、旗竿地は周囲を建物に囲まれているため、道路から敷地が見えることはなく普段の生活を通行人に見られることはありません。
人目を気にするような性格の人は、旗竿地の物件が合致するケースもあるでしょう。
③通路部分を駐車スペースとして有効活用できる
一見無駄に見える通路部分は、駐車スペースとして利用できます。
整形地にように敷地に食い込むような形で駐車場を配置していないため、家がある部分の敷地を有効的に使えます。
旗竿地の売却で成功するコツ
旗竿地の売却で成功するには、以下6つのコツを実践するのがおすすめです。
- ①査定は複数社に依頼する
- ②価格は周辺相場より若干割安に設定する
- ③繁忙期に売却活動する
- ④建物は解体しない
- ⑤再建築不可であれば再建築可となるようにできる限り改善する
- ⑥旗竿地の売却が得意な不動産会社に依頼する
①査定は複数社に依頼する
旗竿地の売却では、査定は複数社に依頼します。複数社に依頼すると、市場価格に応じた相場を掴みやすくなるメリットがあります。
なお、どこの不動産会社に依頼するのかを「査定金額が高い」だけで決めるのは絶対に避けましょう。
査定はあくまで売却できる見込み金額であり、売却ができる金額ではありません。また、不動産会社のなかには売却案件取得だけの目的で高値査定をわざと出し顧客を誘導するところもあります。もちろん、相場に基づいた根拠のある査定であれば良いのですが、大抵は相場を逸脱した売れない金額を提示しています。
よって、これら悪徳に近いような不動産会社を予め排除するためにも、複数社に査定依頼し相場を掴むことが重要です。
②価格は周辺相場より若干割安に設定する
旗竿地の売却では、売り出し金額は周辺での整形地の相場より若干割安に設定します。
先述でもお伝えしたとおりに、旗竿地は売りづらい不動産です。一般的に顧客が求めるロケーションではないため、整形地より割安でなければ購入を検討する顧客は現れないでしょう。
よって、価格は顧客が妥協して購入を検討してくれそうな金額に設定しておきます。
③繁忙期に売却活動する
旗竿地は、繁忙期に売却活動します。
不動産の一般的な繁忙期は、春先の3月~4月上旬、秋口の9月~10月です。マイホームなどを購入する人が一般的に多い時期ほど、不動産は売れやすくなります。
④建物は解体しない
旗竿地に残された建物は、解体しないことです。解体で掛かる解体費を販売価格に転嫁すると、売却がしにくくなるおそれがあります。
また、更地にすると固定資産税などが上がります。旗竿地は人気がない土地のため、いつ売却できるかわかりません。買主に引き渡すまで、高くなった固定資産税を払い続ける可能性があります。
よって、以上2点の要因から旗竿地の建物の解体は行わないほうが良いでしょう。
⑤再建築不可であれば再建築可となるようにできる限り改善する
再建築不可物件であれば、再建築できるように改良工事を施すことです。
例えば、間口が2m未満であれば、隣地の一部の購入や賃貸で広げる方法があります。また、間口の広い隣地を丸ごと購入することで再建築不可の解消は可能です。
しかし、これらは隣地所有者に敷地の一部を譲渡してもらう交渉が必須であることや、そもそも隣地所有者が売却を検討していなければ実現することではありません。
⑥旗竿地の売却が得意な不動産会社に依頼する
最後は、旗竿地の売却が得意な不動産会社に依頼することです。
旗竿地は売りづらい物件ではあるので、地元の市場に精通した不動産会社に依頼するのが良いでしょう。また、どうしても売却が難しい場合には、買取を検討するのも売却を長引かせないコツです。
まとめ
旗竿地は一般的に売却がしにくい物件です。
売却を成功させるためには、周辺の相場を掴み、価格設定を間違えないことが重要となります。また、売却についての悩みは一度不動産会社への相談がおすすめです。
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